nariです🙋
2025年11月22日 公開
📌この記事で解決する読者の悩みと検索意図
- 組織全体に古い慣習が根付いており、変革が進まない。
- 個人のリスキリングは進むが、組織の仕組みが変わらないため、新しいスキルが活かせない。
- 組織文化という「見えない壁」をどう壊せばいいのか、具体的なステップを知りたい。
組織を停滞させる「集合的なメンタルモデル」

STEP2では、個人が持つ「メンタルモデル」(無意識の思考の枠組み)がアンラーニングを阻害すると解説しました。
これが組織レベルになると、さらに強固な**「組織文化」**という形で現れます。
組織文化とは、長年の成功体験や暗黙のルールが積み重なり、**「この会社では、これが正しいやり方だ」**という集合的な共通認識となったものです。
これは、組織の安定を支える一方で、変化の時代においては最大の「重し」となります。
組織のアンラーニングを阻む「3つの壁」
組織が新しい知識(ラーニング)を受け入れられない主な理由は、以下の3つの壁に阻まれているからです。
- 成功体験への固執:「過去に成功した手法こそが正義」という信念。特に創業期や成長期の成功体験は、変革を拒む強い免疫システムとなります。
- 儀式的な慣習:非効率だと分かっていても、「やらないと気持ち悪い」と感じる形骸化した会議や報告様式。
- 内輪の言葉(ジャーゴン):外部の新しい知識やアイデアを理解できない、あるいは排除するための専門用語や独自のルール。
組織のアンラーニングを駆動する3つの「ドライバー」

組織文化という大きな壁を崩すには、段階的かつ戦略的なアプローチが必要です。ここでは、組織のアンラーニングを効果的に進めるための3つの重要な要素(ドライバー)を解説します。
ドライバー1:リーダーの「脆弱性(ぜいしゃくせい)」と「手放す宣言」
組織のアンラーニングは、トップダウンで「新しいルール」を指示することから始まるとは限りません。
むしろ、リーダーがまず古いものを手放す姿勢を示すことが、組織全体の安全弁となります。
| 組織を停滞させるリーダー | アンラーニングを促すリーダー |
| 「私の時代はこうだった」と過去の成功を強調する。 | **「私の過去の成功体験は、今の市場では通用しないかもしれない」**と公言する。 |
| 間違いや失敗を厳しく追及する。 | 失敗を「古いやり方からの脱却で得られた学びのデータ」として歓迎する。 |
【独自の主張と根拠】 リーダーが自身の判断や知識の**「脆弱性(Vulnerability)」をさらけ出すことは、部下が古い慣習や意見を批判的に検討し、新しいアイデアを恐れずに提案するための心理的安全性**を生み出します。ハーバード大学のエイミー・C・エドモンソン教授の研究でも、心理的安全性の高さが組織学習の前提条件であることが示されています。
ドライバー2:意図的な「非効率の導入」
効率化を目指す組織変革の中で矛盾しているように聞こえますが、アンラーニングには**意図的な「非効率」**な段階が必要です。
これは、既存の**「いつものやり方」を一度中断し、立ち止まって考える時間と機会**を組織に与えることです。
- 例1:会議のルール破壊
- 議事録担当を毎回ランダムに交代させる。
- ベテラン社員の発言を最後に限定する「発言順序のシャッフル」
- 例2:シャドーイング
- 自分の部署のメンバーではない他部署の社員に、業務を丸一日見学(シャドーイング)してもらい、「なぜその作業が必要なのか?」という素朴な質問を浴びせてもらう。
この「中断」により、メンバーは無意識に行っていた業務を客観視し、「これは本当に必要か?」というアンラーニングの問いに直面します。
ドライバー3:「実験文化」の仕組み化
組織が古いやり方を捨てた後、新しい知識(ラーニング)を定着させるには、その知識が本当に有効かを試す**「実験」**が必要です。大切なのは、「大成功」を目指すのではなく、「小さな失敗」を迅速に行うことです。
| 項目 | 従来の組織(アンラーニング前) | 実験文化を持つ組織(アンラーニング後) |
| 失敗の捉え方 | 叱責、隠蔽すべきもの | 学びの機会、投資回収のデータ |
| プロジェクト規模 | 大規模で、失敗が許されない | 小規模(3週間など)で、成功・失敗の判断基準が明確 |
| 評価軸 | 成果の絶対額 | 試行回数とそこから得られた学び(インサイト) |
組織は、失敗を恐れる文化から、「新しいことを試さないリスク」を恐れる文化へとアンラーニングする必要があります。失敗の責任を個人に押し付けず、チームやシステムが負う仕組みにすることが成功の鍵です。
3. 組織のアンラーニングのための最初の一歩

あなたの組織でアンラーニングを始めるために、大規模なプロジェクトは必要ありません。まずは、以下の質問に対する「組織的な合意」を得ることから始めてください。
今日からできるアクションプラン:組織を変える問いかけ
- 「非生産的な慣習の特定」:チームメンバー全員で、「この1年で最も無駄だった慣習やルール」を匿名で3つずつ挙げてもらう。
- 「ルールの棚卸し」:「なぜこのルール(または慣習)ができたのか?」という歴史的背景を調査し、今の時代でも有効な理由を明確に説明できるかチェックする。
- 「一時停止ゾーンの設定」:今週、チームで取り組む業務の中で「過去のやり方」を一時的に禁止するゾーンを設定する(例:「このミーティングでは、過去の成功事例を持ち出すことを禁止する」)
【STEP3 まとめ】
| ドライバー | 目的 | リーダーの役割 |
| リーダーの脆弱性 | 心理的安全性を築く | 自身の間違いを認め、古い習慣からの脱却を宣言する |
| 意図的な非効率 | 無意識の習慣を意識化する | 普段のやり方をシャッフルし、業務を客観視する機会を設ける |
| 実験文化の仕組み化 | 新しい学びを定着させる | 失敗を「罰」ではなく「学びのデータ」として評価する |
次回の STEP4では、アンラーニングによって空いたスペースに、何を、どう効果的にインプットしていくか?**「効果的なラーニングの再構築」**について解説します。
最後まで観覧してもらい有難うございました。
nari爺のひとり言
組織が変わるには、まずトップが古い成功を捨てることだと感じます。
そして、今のやり方をわざと中断させ、失敗をデータとして歓迎する実験文化を作る事で、組織は動くはずです。
この内容について、特にどのドライバー(リーダー、非効率、実験文化)が重要だと感じますか?

